−魔を断つ−
「これで分かったであろう?
この世に仏など存在せぬことが。
彼(か)の山中(さんちゅう)に潜(ひそ)みし者は、御仏(みほとけ)に仕えし僧の皮を被った亡者。
陽の光があたらぬこの森こそ、世に現れた地獄の門、我欲(がよく)に餓えし鬼供が夜な夜な民を襲っておる。
見よ…奴らの顔を。邪(よこしま)な面(つら)をしておるではないか。
禁忌をやぶり、武器を携え(たずさえ)、女子(おなご)を抱き、肉を喰らう。
斯様(かよう)なことを御仏が許すのであるならば、常世の国とはなんと腐敗した国であろうか。
故に儂は破邪の炎をもって全てを焼き払う。
其方(そなた)はこれを目にしてもまだ、悪しき行いだと申すのか?
案ずるな、罪も罰も儂一人で背負おう。
其方は傍(かたわら)で同じ景色を見ておればよい。
其方等の生きる世界、儂が常世よりも清き国にしてやるわ。」
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