−内府様に申し上げる−
「内府様は会津に関する様々な噂に御不審をもっておられるとのこと。
主の上洛が少ないとは真に心外。
我らは一昨年(いっさくねん)国替えをしたばかりで、そう度々上洛していては、いったい何時(いつ)政(まつりごと)ができましょう?
それをもって我らに逆心有りとは見当違いも甚だしい(はなはだしい)...
逆心なき証に起請文(きしょうもん)を差し出せとのおおせなれど、ではこれまでの起請文はいったいなんだったのでございましょう?
内府様とあろうお方が、人の告げ口を確かめもせず鵜(う)呑みにしたことはまこと驚くかぎり。
公平な方と敬っておったは勘違いでござろうか…
武具を買い集める事をお咎(とが)めなれど、田舎武士のならわしにて、上方武士がくだらぬ茶器を買い集めること同じでござる。
我ら隣国とは国同士、境を通じており、街道の整備をしたことで謀叛(むほん)、謀叛とほざいておりますのは近隣の城主のみ。
逆心あれば堀をめぐらせ街道を塞ぐのが道理であり、どこからでも攻められる道をわざわざ作るなど大馬鹿者の所業にございます。
聡明な内府様なればもはやお分かりになりましょう?
それでも我らに非があると仰せになるならばいたしかたなし。
我ら上杉…全力でお相手させていただく所存。
神仏を恐れぬ覚悟があるならば…かかってくるがよい!」
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