ABCはみなさんのお名前で
−戦場の1シーン−
A「本部!本部!こちら07小隊!西側海岸に上陸!負傷者多数!08、09小隊は壊滅!敵方新兵器確認!しかしこれ以上の戦闘は不可能!撤退の指示を!
……
くそっ!なんなんだよ!電波障害か?つながらねぇ!おいっ!本部!本部!ちっ…
…!?B!大丈夫か?C!どうなんだ?」
B「わりぃ…A…足をやられた…感覚がマヒしてやがる。こんなときに!」
C「とりあえず止血はしたから、動かない!
どこか休めるとこ…あった!A!」
A「よし!Bをあのビルの陰まで運ぶぞ!つかまれB!!C、援護たのむ!」
C「了解!」
B「い…っすまん…」
A「これで…一安心か…」
C「Bの足…銃弾が貫通してない、早く取り出さないと命にかかわる…ねぇ、本部はなんで応答しないの?」
B「おそらくあの新兵器にはジャミング効果もあるんだろう…
く…それよりお前ら...これ見ろ…さっきの海岸で転がってた死体からくすねてきた」
A「なんだ?地図か?…これは基地の見取り図か!なんでこんなものを味方がもってたんだ?」
C「まさか…スパイ?」
B「だろうな…オレ達は奇襲作戦の命令を受けていたはずだ。なのに何故新兵器がここにあったんだ?本隊が上陸する海岸ならともかく、上が奇襲に選んだ場所に設置してあるなんて…偶然にしてはできすぎている」
C「以前から準備してあった、ということね…そうじゃなかったら…」
A「こんなにあっさり3小隊の奇襲を壊滅させられるワケはないよな…ちっ!ふざけやがって」
B「冷静になれA…。済んだコトだ。それより見ろ。ここのルート…ここのビルは運良く奥に地下通路の入り口がある…ここを通って反対側の本隊に合流する…これなら助かる。…本部の指示なんて待っていられるか!」
C「そうね…私の見た限り生き残ってるのは多分私達だけ。…A、どうする?」
A「そんなの行くしか…ん?足音が…近づいてくる…多いぞ」
B「なんだと…?ちっ!奴らオレ達がこのビルに入ったのを見ていたな」
C「そんな…早すぎる!」
A「C…Bを連れて奥へ」
B「おいA!何考えてんだ!」
A「オレが時間を稼ぐ!お前らはさっさと奥へ行け!」
C「A!」
A「さっさと行け!敵は待っちゃくれねーぞ!誰かが囮にならねーとここでみんな殺されちまう!」
B「...Cすまん、肩をかしてくれるか?
よいしょっと……そうだなA…じゃあ頼むわ」
A「あぁ任せろ!…ぐはぁっ!なにを!…」
C「B!なんで!」
B「Cすまねぇな…このバカを担いで行ってくれるか?どうやら痛みどめが効いてきたらしい…少しくらいなら動けそうだ」
C「B…どうするの?まさか!」
B「Aが言ってたろ?誰かが囮にならなきゃって…それはオレの仕事だ!どうせオレはケガ人。まともに動ける時間も限られてる…オレのせいでお前らを死なせるワケにはいかねーよ…」
C「でも…」
B「C…武器を。オレのは海岸に置いてきちまった…ははは…Aが起きたら伝えてくれるか?『何事も冷静に考えろ。それがお前に足らないもんだ。…後は任せた!…それとCを泣かせるんじゃねーぞ』ってな。お前らはいい奴だ。…ここはオレに守らせてくれよ」
C「えっ!?なんで…」
B「C…お前とAが恋人同士だってこと…オレが気づいてないいとでも思ったか?
隠すならこれからはもっと上手くするんだぜ?…ははは
おしゃべりはこれまで。お客さんが来ちまう…1、2.、3、で同時に走るぞ!振り返るなよ…1、2、3、いけっ!」
C「っ...へばるなよ、B!」
B「ふっ、わかってらぁ...
...お前達と同じ隊になれたこと…オレは誇りに思うぞ…さぁ!オラオラ!どうしたクソども!オレはここだぁぁぁあ!」
A……最期くらいオレにもCにカッコつけさせろよ…それくらいいいだろ?
残りは…手榴弾2発か…こいつで…道連れに…すれば…ハァハァ……く…あ…じゃあな…先…逝ってるぜ…あばよ…おらぁぁぁぁあ!」
(ちゅどーん)
C「!?この音……ハァ…ハァ」
A「ん…ゲホっ…ここは?…」
C「はぁ…はぁ…気がついた?A……助かったよ…」
A「…そうか…うまく…いったんだな…Bは?無事か?」
C「!?…そのことは後で…後で話すよ。…だからA…今は…」
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