ー雪ー



「私の街に、雪が降った。

無色透明なそれは、酷く儚く。

暗く染め上げた空間に、取り留めなく交差しては落ち、を繰り返している。


そして、夜は明ける。


朝日を浴びながら姿を表したそれは、華麗な曲線を描き、昨日の儚げな顔を一変させ、力強く煌めく。静かな朝だ。


彼は地に降り立てば、全てを支配し、たちまち人々の心の片隅に、一時的に居座る。

僅かなくぼみでさえとらえ、凍てつかせるその様子は、触れる事さえ罪深いとまで錯覚させる程。


しかし今、土と混ざりあい、茶色がかってしまったぐしゃぐしゃの彼らを見て、思う。

美しさと共存できる生き物はこの世にはもはやもう、いないのだということである。


今だって私も、その生命の美しさの上に立っている。」



コピペ用↓

https://yosiyuki57serifu.jimdo.com/snow/