−月夜の出会い−
「妖(あやかし)か?何をしておる?こんなところにいては、人に見つかってしまうぞ?
今宵(こよい)は満月じゃ。淡い光は水鏡(みずかがみ)のように、そなたを現世(げんせ)に映し出してしまう。
人とは自分と違う存在を酷く怖れる生き物じゃ。常世(とこよ)の住人であるお主を目にしたら血相(けっそう)を変えて滅して欲しいと願うじゃろう。
待て待て、そんなに警戒するな。
お主が悪(あ)しき妖でないことはわかっておる。
私は少々陰陽道(おんみょうどう)を嗜む(たしなむ)。
ん?陰陽師と聞いて警戒するのはいたしかたないが、お主を滅しに来たわけではないぞ?
散歩の途中、たまたまじゃ(笑)
なんじゃ?まだ怖がっておるのか?
ふむ…そうじゃ!お主、今から私の屋敷に来ぬか?こんな所にいるよりは寛げる(くつろげる)はずじゃが…どうじゃ?
実の所、私も独りでな…陰陽師といっても、普通の人間から見たら妖の類(たぐい)と扱いは変わらぬ。
ただの道具じゃ…人にもなれず、妖にもなれない中途半端な存在じゃ…悲しい事じゃがな…。
さて、こっちじゃ!ついて参れ、次はお主の話を聞かせてもらうぞ?よいな?
お主の心を縛る鎖(くさり)を私に解か(ほどか)せてはくれぬか?
大きなお世話じゃと?やかましいわっ(笑)
何故じゃろうな…お主と話すと、私は心から笑えるようじゃ…ふふ
まずはお主、名はなんと申す?
ん?私からか?私はな…」
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