茶々の桜



ー茶々の桜ー



「何故じゃろうな…そなたを見ると心がしずまる。

妾(わらわ)の苛立ちも、哀しみも清き水に溶けていくようじゃ...

赤き炎によって崩れゆく城、大切な人の命が次々に散っていく。その度に妾(わらわ)は皆(みな)の手によって取り残されてしまうのじゃ…

…嘘つき。また会えるとおっしゃったではありませぬか!何故!何故!妾(わらわ)も連れて行ってくれなかったのですか。妾(わらわ)はこんなにも心細い思いをしているというのに…

…すまぬ、とりみだしてしまった…ゆるしてほしい…妹達の前で晒す(さらす)わけにはいかなかったのじゃ

妾(わらわ)は近々最も忌み嫌う秀吉(おとこ)のものにならねばならぬ。ヒトでいられる時間も残り少なくなってしまったのじゃ…

なんじゃ?慰めてくれるのか?そうじゃな…

妾(わらわ)の清き心はそなたに預けよう。

夜叉(やしゃ)になってもそなたの前だけは、昔のままでいよう。

また、妾(わらわ)の話を聞いてはくれぬか?…礼をいう。

あぁ今宵の桜(そなた)は…まこと美しいのう 」 



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